昨日の敵は今日の友
2月16日の金曜。
いつものように大魔王軍は要塞を放棄し、どこへ入札しようかと考えていた。すると、突如ささやきが。
相手はWanderVogel血盟主。
bigevilkingkeef.hatenadiary.jp
こやつらである。
内容は「強豪に入札されてしまったので、大魔王軍が入札して勝ってくれないか?」という旨であった。
入札情報を見ると、確かにえげつない強さの血盟が入札している。
決してWanderVogelは弱くはないが、この相手では次元が違う。彼らがたやすく蹂躙されてしまう未来が視えた。
わかった、挑んでやろうじゃないか!
即座にそのことを血盟員に伝える。
その週は精鋭もつつがなく投入できるので、アツい戦いもバッチコイだった。
そして競りが始まる………
さて、競りについて話しても仕方が無いので結論から言おう。
競り負けた。
敵は長らく要塞を保有していて血盟アデナには余裕があるのか、金に糸目はつけないような入札を繰り出してきた。
大魔王軍とて楽しい戦いのためには、金を出し惜しみする気はなかったが……金額がアホのように膨れ上がっていく。そして競りは長引き……
他のところで競り負けた上位血盟が2つほど乱入してくる。
その中のひとつには、血盟主が底抜けのあほ(本人も認めている)という血盟があり、煽るかのように金を積み上げ、とうとう大魔王軍の手の届かないところで競り始めた。そやつらは結果的に競り負けたので、無駄に金を捨てた感じになったが自業自得じゃ。
さて。
競り負けたので、このままでは大魔王軍は要塞戦ができない。
しかしそこで思いつく……
「なあ、彼らに援軍を出すのはどうだろうか。」
この思いつきは、非常に楽しい戦いを連想させた。
かつて争った仲が、チカラを合わせて強きに立ち向かう。
最っ高のシュチュエーションである。
言うなればDQIVで勇者パーティと魔族の王デスピサロが、真の巨悪エビルプリーストに立ち向かうようなもの。知らなければDQIVはスマホ版があるので是非やってみてくれ。
大魔王軍は15人程度要塞戦に出られる予定であった。WanderVogel血盟員は約30人。血盟レベル的には援軍がすっぽり収まる。
俺はさっそく配下たちに思いつきを共有、準備を進めるとともにWanderVogel血盟主に思いつきを伝える。彼は話し合う時間が欲しいと言ったが……敵は強すぎる。何もしなければ蹂躙されてしまうのは彼らも知っている。それを嫌い、大魔王軍を敵に召喚しようとするなど拮抗した楽しい戦いを求めている彼らが、このシュチュエーションで断る可能性はゼロと読んだ。なので可能な準備はすべてやる。30分ほど後、予想していたOKの答えが返ってくる。
用意していたディスコードグループへの招待、臨時大魔王を買って出てくれた献身的な配下に留守を頼み、大魔王軍脱退、WanderVogel加入、交流もまあまあにして作戦の発案と共有を進め、多少のグダグダはあったが、初めての傭兵遠征にしては手際よく準備が整った。
そして次の日。
敵は我らより多くて強い。マトモに戦うことは難しいと考えた。
初手、俺と大魔王軍精鋭が入った1パーティが中央の祭壇を狙い、それを除いて全員で攻める。
大魔王軍が手を貸したという情報は、口上にて説明済。有名な大魔王が中央にいることで、中央で戦うと勘違いさせる囮である。
そのスキに他の全軍で一点突破を攻めようとするが、敵は数をふんだんに利用し防衛も中央占拠もこなしていた。攻めの部隊はどうなったかわからぬ状況となり、再度束ねて突撃するには時間がかかるように思えた。
そこで作戦を「いのちだいじに」寄りの「バッチリがんばれ」に変更。
防衛をこなしつつ、祭壇バフが切れる時を見計らって刻印を狙う。
敵は80万台がゴロゴロしていて、100万台のバケモノ……もとい勇者が2名ほどいる。一点突破はともかく、交戦の中でヤツらを撃退するには祭壇バフが必要だと考えた。
防衛2点に重きを置き、大魔王パーティが中央で戦うことによって三点に重きを置いているように見せかける。そして敵を分散させ、刻印が切れたら大人数で襲う………
ここいらまでは、まあまあ上手くいっていた。
しかし敵は強かった。
作戦など無いかのように、数と質の暴力で我らを蹴散らしていく。
あれよあれよと防御塔は折られ、まもなくもう一方も折られて大魔王軍の防御塔は聖物近くの物を残して全滅した。そして敵が押し寄せ、最後の防御塔すら折られ、リスキルされる始末……
ここまでくると、我らとしても作戦なんてあったもんじゃない。
刻印カットが巧みな配下を残して、全員で攻める指示が飛ぶ。
敵は攻めているので、その分守りは手薄だった。
祭壇バフは占領されているが、なんとか番兵を滅ぼし、強引に防御塔をへし折ることに成功。そして、友軍WanderVogelの血盟主共々、敵地に入り込む。
しかし、ヤツはそこにいた。
100万台勇者1匹と、その他まあまあ(80万)の小隊が待ち受けていたのだ!
もはや何もわからぬ。
すべての作戦は打ち砕かれた。
リスキルを抜けて攻め入ると、必然的に少人数で敵にぶつかることになる。どこかで集合してから攻めれば良かったとは思うが、そんな冷静な判断はできなくなっていた。そしてついに、刻印カット部隊が沈黙させられ……
敗北である。
おぞましいまでの戦力差であった。
試合時間は、約25分。
よく耐えたと思う反面、やはり悔しいものがある。
結果を見ればわかると思うが、俺は戦闘に向いていない。
故に、俺は冷静に部隊を指揮し、配下に「王に指示を出されている」という安心感を与えつつ、敵には大魔王の名を見せてヘイト集めをするのが仕事だったのだが……興奮と悔しさで判断が難しくなり、果たすべきことを果たせなかった。
今回の、自身の反省点である。
ともかく、我々は敗北した。
悔しかったが、YouTubeで見るような大人数VS大人数の戦いに参加、指揮できたことは、とても良い経験値となった。
その後は血盟ダンジョンに参加させてもらい、悔しさいっぱいにクイーンアントをシバキ倒す。しばらくWanderVogelと談笑し、交流と再戦を約束して大魔王軍はWanderVogelを後にした。
余談だが、せっかくの交流であるから大魔王軍の来た証をWanderVogel血盟コミュニティに残さないかと言われた。我らの名乗り口上である。
WanderVogelを抜ける際に思い出し、せっかくだから大魔王軍の口上一覧をブログに載せようと思ってコミュニティを開く。
この二人は、最後までついてきてるれるんだな、と。
そう思った。うむ。